演劇知識 No.5 音響のおしごと
担当:淡路享香

  >>>舞台工房での音響のお仕事です。
音響のお仕事はだいたい台本決定の瞬間から始まります。


1.何度も何度も台本を読みます。
役者の台本読みやその他稽古も、時間の許すかぎり見続けます。
(→自分なりに、その作品の「イメージソング」を裏設定として用意するのもいいかもしれません。)

2.そして、もう一度台本を見てみます。
作品が成り立つために
・最低限必要な音
・自分が入れたいという音
をリストアップしていきます。

3.音を探します。
これが一番辛い作業です。
イメージ通りのSE(効果音)や音楽を捜す旅に出ましょう。

沢山の音楽を聞きます。
SEなどは、なければ作ってしまいましょう。

どんな風に音を入れ、どんな風に切るか、練習中に実験してみるのもよいでしょう。

4.それと平行して、一つの流れとしてまとまってきた役者の動きをみて、さらに
・音を必要とする場面があるか
・もしくは削ったり変えたりしたほうがいいのか
を再度考えましょう。

そしてまた旅に出ます。

(→こんなかんじで作っては変え、作っては変えの繰り返しです。自分が納得できるまで探した後、最終判断を演出に仰ぎ、ダメ出しされたら最大限に変える努力をします。)

5.予算や会場で使う設備について。
制作・演出さんと話し合った上で早い段階で予算や設備が決まります。
その制約の中で本番に向けて準備しましょう。
MD・CD・サンプラーなど、自分の操作しやすいように音源を機材に割り振っていきます。
通し練習には、本番と同じ状態にするようにしましょう。

6.本番、本番前にレベルチェックやきっかけ合わせをします。
それまでに役者・演出・照明さんと意思の疎通をちゃんと行っておきましょう。

7.本番です。

頑張りましょう。
それしか言えません。

8.本番が終わっても音響のお仕事は終わりません。
ジャスラック(日本音楽著作権機構)に使った楽曲等を申請します。
本当は公演前にするのが望ましいのですが、いつもゴタゴタしてしまうので公演後になってしまいます。(早くできるに越したことはないのですが…)
ということで、二十歳以上の代表者名義で所定の用紙に書き込み、指定された期限内に送ることで音響のお仕事はめでたく終了となります。



地味ーに見えて、結構しんどい作業です。
根気&センス、あとほんの少しの「ハート」で頑張って下さい。